都知事選が終わりました。

今回、特に考えさせられたのが、ポスター掲示板でした。あまりにもひどいありさまでした。

私は、岩波書店が発行している月刊誌「世界」を購読しておりまして、毎号、元鳥取県知事の片山大正大学特任教授の連載記事を興味深く読んでいます。

今回の彼の主張は、「ポスター掲示板はデジタル化せよ」というものでした。もちろん、スマホやインターネットには無縁の方々もいますから、投票所などごく一部には紙で貼る掲示板は残しつつも、基本、候補者ポスターは選挙管理委員会が設けるデジタル掲示板に移行する。そうすれば、あの醜悪なポスターが街中に氾濫することは防げるというものです。

また、現行では掲示板は告示日までに設置することになっています。選管は、説明会に来た候補予定者数に応じて、予想を立てて掲示板を設置する方法をとっています。それですと、今回のように告示日に突然手続きを取られてしまうケースが増えた場合には、貼り出すスペースが不足するという事態が起きてしまいます。彼は「リアル掲示板は告示日までに設置するのではなく、告示日の2日後に設置することにすればよい。すでにデジタル掲示板が用意されていれば、それくらいの遅延は許されよう」との意見です。

政見放送にしても、「選管が候補者の政見放送をデジタル・アーカイブ化すれば、あの、見るに堪えず、聞くに忍びない内容の政見放送の垂れ流しを防ぐことができる。有権者は、候補者を自ら選んで視聴できるようになる」との主張です。

古色蒼然たる公職選挙法・・・片山氏は次の例も紹介されておりました。なんともはや

演説会場内における文書図画の掲示
(1)候補者は、個人演説会の会場内において、その演説会の開催中、ポスター、立札、ちょうちん及び看板の類を掲示することができる。(法第143条第1項第4号)
(2)ちょうちんが1個に限られるほかは、数量の制限はない。(法第143条第10項)
(3)ちょうちんの大きさは高さ85センチメートル、直径45センチメートルを超えてはならない。(法第143条第10項)