岸田内閣が異次元の少子化対策に取り組むと報じられてきました。その財源をどうするのかと気をもんでおりましたところ、「少子化対策支援金」ということで、その財源の一部を健康保険料から捻りだす仕組みを考え出してきたようです。

伝えられたところでは、この仕組みについて、こども家庭庁は「全世代が子育て世代を支える、新しい分かち合い・連帯の仕組み」と説明しているのだそうです。

何を言っているんですか、ちっとも新しくなんかないですよね。後期高齢者医療保険支援金で「分かち合い、連帯してきた」ところじゃないですか。

ネットのニュースサイトの試算では、日本の平均給与所得者は、年間給与458万円(令和4年度国税庁統計)の中から年間約21万円の健康保険料を支払っていて、そのうちの約7万円が後期高齢者の医療保険会計へ拠出されているんだそうです。そして、この拠出金(支援金)によって75歳以上の、後期高齢者医療費の約4割をまかなっているのだそうです。

ここに「少子化対策支援金」が追加されることになるわけで、社会保険なら給料から天引きされ、国民健康保険に加入している場合には、基礎年金受給者なら年金天引きで、そのほかの方なら市町村から発行された納入通知書によって収めざるを得なくなるわけです。もし納めなければ、督促→差押へと追い込まれていきます。

その額がどれほどになるか・・・最初は年1万円程度かもしれませんが、後期高齢者医療保険支援金の例を見ればわかりますように、年を追うごとに増加していくことでしょう。

少子化対策の充実強化に異を唱えているわけではありませんが、なぜ、その財源の一部を医療保険の掛け金から出させるのでしょうか。

「全世代が子育て世代を支える、新しい分かち合い・連帯の仕組み」だと?「増税はとてもできそうにないから、その代わりにいただくね。」なのでしょうに。

ここで、少し具体的な金額をお示ししたいと思います。

以下は私の老齢基礎・厚生年金の年金払込通知書からの引用です。あえてお示しします。

令和5年10月に振り込まれた金額(蛇足;年金は年6回支給です。ですから2か月分)は

年金支払額 a140,835
介護保険料額16,800
国民健康保険料額43,700
所得税額0
個人住民税額1,800
控除後振込額 b78,535

年金の手取りは年金支払額の56%でしかありません(b/a)。

(なお、所得税が0円となっておりますが、別払込みとなっている老齢厚生年金からしっかり引かれております。)

国民健康保険会計はどこの自治体でも赤字になっていて、毎年のように保険料が上がっています。ここに、「少子化対策支援金」がおっかぶさるというわけです。