50年近く前、この供託金制度って、お金がなくても立候補したい人の権利を制限するもので、おかしいと思っていました。

でも、この制度を設けませんと、はなから当選するつもりのない人や、いわゆる泡沫候補が大量に出現するということで、致し方ないのだと思う自分もおりました。有効投票数の一定割合を得票すれば、ちゃんと戻されるわけですし・・・

それにしましても、今回の都知事選、異常なことが起こりました。56名の立候補、このうち、確実に52名の候補者は供託金没収となるでしょう。なんで、こんなにも多くの立候補者が出たのでしょう。

選挙掲示板が都内には14,230箇所に設置されたそうです。ここに顔丸出しのポスターが貼れます。なにもすべての掲示板に貼らなくたっていいんです。駅前とか商店街の近くとか、特に目立つところにだけと割り切って行えば、わずかなスタッフでもポスター貼りに対応できるでしょうし。

で、何よりの魅力が、天下のNHKに政見放送で出演することができることです。ふつうの人は、マスメディアのカメラの前で独演するなんてことは生涯起こり得ません。それが、持ち時間5分30秒のワンマンショーを2回もできるのです。

今回11時間の放送枠を確保しなくてはならなくなったNHKは番組編成に悩んでいるそうです。また、政見放送にかかった経費は放送事業者から東京都に請求されるのだそうです。

私の乏しい記憶では、50年前から知事選の供託金は300万円のまま、増額はされていないのではないか・・・貨幣価値の低下、テレビでの政見放送導入によるコストアップを踏まえ、供託金は増額変更する必要があると思うようになっています。