行政書士の仲間入りをして「えっ?」と感じたのは、同業者同士が「○〇先生」と呼び合う習わしです。この業界に入ったばかりのときに、ベテランの「先生方」から「青柳先生」と呼ばれたときは、たまげましたし、なんかこそばゆいような、でもまんざらでもないような気持ちにもなりましたっけ。

 これは、なにも行政書士界だけでなく、「士業」といわれる弁護士、司法書士、公認会計士、税理士などの社会でも、広く、深く浸透している習慣のようです。

 まぁ、仲間内で呼び合うのは、それはそれとしまして、法務局へある書類の申請に訪れたときに、担当した公務員から、受付カウンター越しに青柳先生と声掛けされたときは、ほんとうにびっくりしました。申請者の立場なのに「先生」の敬称を付けてくれるのかと・・・

 娘から聞いた話では、孫(娘の子)が通っている保育園では、園児は保育士のことを「名字+さん(例えば鈴木さん)」と言わせるようにしているのだとか。

 公僕たる公務員に対しては、議員や教員を除いて、「先生」をつけて呼ぶということは、まずありません。「国民の権利利益の実現に資する」ことを使命とする行政書士もまた、「さん」付けで呼び合った方がいいのではないかと私は思っています。