私は3年間、つみたてNISA枠で、インデックス型の、ある外国債投信を行ってきました。

月3万円ずつ、108万円になったところで売却しました。評価額が142万円近くとなっていましたので、約34万円の儲けとなりました。もし仮に、NISAではなくて個別の株式を売買して同じように儲けたとしたらどうだったでしょう。・・・買って、売ってで証券会社へ支払う手数料が1万円ほど、売買益34万円に対する譲渡所得税20.315%が分離課税されて、6万9千円あまりが証券会社によって天引きされます。結果、手取りは26万円ほどとなります。評価額が右肩上がりを続けるなら、言わずもがな、手数料が格安で、非課税なのですから、NISAの方がはるかに有利です。

しかし、なぜ、政府はこのような「破格」な制度を作ったのでしょうか、しかも、今年の1月から拡充したのでしょうか。税収不足でニッチモサッチモいかない状態だというのに・・・国民の資産を倍増するため?老後の資産形成を支援するため?

報じられておりますとおり、日銀が買い込んだ大量の国債は、すでに今年3月末時点で576兆円と、発行済みの国債の53・3%と過去最大になっています。また、日銀が買っているETF(上場投資信託)は約60兆円、東証一部の時価総額の1割近くになっています。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の56兆円と合わせると、日本の年間の国家予算に匹敵するマネーがこのETFに流れ込んでいます。で、このETF、新NISAで買えますよと、雑誌等でさかんに喧伝されているのです。

 株価を買い支えさせるために、「新NISA」を餌にして国民各層を株式市場に誘い込もうとしているのではないか、一部の識者がそう警鐘を鳴らしています。

 ま、値下がりしなければいいんです。「バスに乗り遅れるな」そうですとも。ですが、ただただ、ババをつかまされないようにする。しかし、これがほんとうに難しい。

 私は、当面は、新NISAへは加入しないこととしました。