自分が積み上げてきた、あるいは父祖から受け継いだ財産をどのように遺していくか、人生の第4コーナーに差し掛かってきた私たちにとっては、真剣に考えておくべき問題です。

すでに記述しましたとおり、公正証書遺言とか自筆証書遺言でしっかりと自分の意思を書き残しませんと、遺された人たちによる遺産分割協議を行うこととなりますが、得てして禍根を残すことになりかねません。それは、ほんと、避けたいところです。

ですが、問題は、自分がいつあの世へいくかが分からないところにあります。心身が衰えていく中、医療や介護に要する費用も嵩んでいくことでしょう。その分、預貯金からまかなっていく必要が生じて、その結果、遺言作成当時とは異なった財産構成になってしまうかもしれません。不動産をAへ、それに見合う額の預貯金をBへという内容で平等に分けたつもりが、いざ、相続開始のときには預貯金がほとんどなくなっていたというようなことが起こり得ます。

もちろん、状況の変化を踏まえて、遺書を作り直すことは可能です。でも、そうそう書き直していくことはたいへんなことです。公正証書ですとそれなりにお金がかかります。また、法務局へ預ける自筆証書遺言にした場合には、本文は自筆でなくてはなりませんし、作成した遺言は、あらかじめ法務局へ予約したうえで、自ら出向く必要があります。

私は行政書士になってから、相続、遺産分割協議、成年後見について、相当な時間を割いて、研修を受けたり、関連図書を購入して自己研鑽を重ねてまいりました。また、「隗より始めよ」ということで、自ら自筆証書遺言を作成し、法務局への保管手続きをとりましたし、知り合いの方からの相談を受け、その作成のサポートもいたしました。

そんな中、1月くらい前から、いわゆる家族信託についても関心を持つようになりました。自分の財産を自分のために活かし、その残りがあれば、自らが指定する人を受益者としたり、あるいは、相続に準じて相続人へ分け与えることもできるということで、「民法上の相続」とは別の、平成19年の信託法の改正で制度化されたこの信託手法もまた有用であると認識できるようになりました。

今後、さらに知見を蓄え、相談されたら応えられるまでのレベルアップに努めてまいります。