法律の条文に接するようになると、その独特な言い回しや用語の分かりにくさに意気消沈してしまうことがあります。

 用語について申し上げれば、例えば、欠缺(けんけつ)、読めませんでしたし、意味も分かりませんでした。図画(とが)、これは刑法の用語としては、「ずが」とは読まないんですね。民法で出てくる心裡留保、これにも手こずりました。

 その一方で、瑕疵担保責任という概念は、平成29年の法改正に伴う条文の変更によって次のように変わりました。

  旧570条「売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、・・・」 → 新562条「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは・・・」

 同じように、かつて用いられていた「寄附行為」、これも漢字の語感とはかけ離れた用語でしたっけ。

 平成18年の民法改正前は、財団法人の根本規則をそう表現させていました。かたや、同じような社団法人には「定款」という言葉が用いられていました。で、そういうもんなんだと割り切って覚えこんでおくしかありませんでした。が、公益法人改革の流れの中で、新たに「一般財団法人・一般社団法人」制度が設計され、新法の中で、それら法人の基本規則はともに「定款」という用語で統一されました。

法律は、私たちの権利義務に関わってきます。難解な用語が、今後、より多く、国語的に理解しやすい言葉へ置き換えられていくようにと願ってやみません。